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「助かった!」と思ったら…
家の近くに老人ホームができ、これなら安心と実家のお母さまを入居させた菅原さん。しかし、施設のスタッフはシロウト同然。医療体制も整っていませんでした。施設選びのキーワードは「近い」、「新しい」より、「愛情」でしょうか…。
清潔で、スタッフも若くて明るい人たち。でも…「家の3軒隣に老人ホームができると聞いたときには、心底よかった、助かった!と思いましたね」そう語るのは、長男に嫁いだ菅原さん。義父と痴呆になりかけた義母、そして近所に住むほとんど寝たきりの実母の世話で疲れはてていました。「もちろん実母は、介護制度の限界枠一杯のケアは受けていました。でも父を早くに亡くした一人っ子の私しか、母の面倒を見る人間はいなくて。いくら近所に住んでいるとはいえ、自転車で8分の距離を何往復ともなると、つらかった」
  そんなとき、ごく至近距離にできた老人ホーム。天の助けとばかり即、実母の入居を申し込みました。
  経営する会社が初めてのホームを開くという点には不安でしたが、何といっても清潔、スタッフも若くて明るい人たちで、感じも良かったのです。「でも経験不足のシロウト集団で驚きましたよ。ベッドから起こして車椅子に移すやり方も、私が教えたぐらいでしたから」 それでも、夜は誰かが見守りをしていてくれる?近いからいつでも駆けつけてくれる?ことは心強く感じたそうです。

今度は義母の痴呆が進行
  しかし半年が過ぎると今度は義母の痴呆が著しく進行し、暴力を振るうようになったのです。
  夫は、「口は出すけれど、手は貸さない」。義妹2人を呼んで、義母を施設に入居させるかどうか、大論争を始めました。ホームに入居させるのは体裁が悪い?親の面倒は長男が見るのは当たり前?と、古い考えばかりで結局誰も菅原さんをサポートしてくれる人はいませんでした。「もう何もかも嫌になっちゃったんですね。家族も家庭も全部、捨ててもいいと思いました」と、菅原さんは家出を決行。実母には気の毒と思いましたが、1週間ほど行方をくらませたのです。

老人ホームでは医療ができない?
  彼女がいない間、介護にてんてこ舞いをした夫は、帰宅した菅原さんの顔を見るなり、「納得のいく老人ホームなら入れていいぞ」と。
  計画がうまくいったと喜ぶのもつかの間、実母は彼女がいない1週間に容態が急変していました。その原因は、新米スタッフが実母の入れ歯をなくしてしまったこと。入れ歯がないと食べられないので、体力は消耗するばかり。しかもそのスタッフが紛失を秘密にしていたので、よけい事態は悪化してしまったのです。
  見かねた菅原さんが点滴を頼んでも「老人ホームでは医療ができない」の冷たい答えが。
「やはり介護の経験不足が、行き届かないケアに結びつきましたね。ニコニコと愛想のいい若いスタッフは、ファミレスのバイト感覚で介護を考えているから、勤務時間が過ぎれば、ハイ、それでオシマイ。きちんと連絡事項の引き継ぎをしないで帰ってしまう。自宅で老人と接したことがないせいか、日常もうまくコミュニケーションがとれない。ましてや、自分のした失敗が人の命を奪うことになる、というコトの重要性もわからなければ、責任感もないんですよ」

経験豊富で心のこもった老人ホームを探したい
  肺炎を起こした実母は、救急車で病院に入院。しかし、体力がなかったため。あっけなく他界。「悔しかったし、自分が毎日来ていれば、こんなことにはならなかったのにと責めるばかりで…」話しながらも涙する菅原さんには、まだ義母の入居場所を決めるという仕事が残っています。
「母のような失敗を繰り返さないためにも、しっかり調べています。いろいろありましたが、義母には世話になったので放り出したくはないのです」 介護をとおして見えてきたのは、「愛情」という菅原さん。ホームのスタッフが、もっと愛情深かったら…、そして夫が愛情を持って両親を世話し、たいへんな思いの菅原さんを愛情を包んでくれたなら…。
  その願いを込めて、経験豊富で心のこもった老人ホームを探しているところです。

 
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